股関節は骨盤と大腿骨から構成されている関節で、身体の中心部にあります。
身体の中心となる股関節は痛めることも多く、整体の現場でも、よく出会います。
今回は股関節痛の回復に効果的な運動療法『セルフケア』を紹介していきます。
『開脚ストレッチ』
1、足の筋肉や腱を、反動をつけずゆっくり伸ばします。
呼吸は止めないようにし、自然な状態で行います。
2、痛みがなければ約30秒間その姿勢をキープします。
できる範囲内で伸ばし、痛みが出るときは無理をしないようにしてください。
『筋力トレーニング』
1、腸腰筋(股関節前面の筋肉)を強化するトレーニング
腸腰筋は股関節と関係性が強いので、とても大事なトレーニング。
できるだけ背筋を伸ばし椅子に腰かけ、足踏みをするように足を上げる運動です。
2、中殿筋(股関節外側の筋肉)を強化するトレーニング
立った状態で手すりか机につかまったまま、片端を横にゆっくり開き、戻す運動です。
片足で立つのでバランスに気をつけましょう。
勢いよく開いたり足を無理に高く上げると、逆に腰などを痛めてしまうこともあります。
「ゆっくり、できる範囲内」で、股関節外側の筋肉を使っていることを意識しながら行うのがポイントです。
3、足全体の筋力トレーニング
手すりや机に両手をつけて足を肩幅に開き、背筋を伸ばして立ちます。
手で支えながら体を前へ倒し、お尻を落としていきます。
落とせるところまで落としたらしゃがみ、再びゆっくり膝を伸ばしていきます。
このとき、膝と爪先が同じ方向を向くようにするとともに、膝が爪先の位置より前へ出ないようにしてください。
膝が前へ出すぎると、膝へ負担がかかりすぎて逆効果です。
『水中トレーニング』
水中運動は、浮力によって股関節への負荷を少なくし、全身の緊張を緩和するとともに、呼吸や循環の機能改善にも効果があるといわれています。
ただし、間違ったやり方だと効果が期待できないばかりか、腰や足を痛めてしまうこともあり得るので、インストラクターの指導のもと行うようにしてください。
1、水中前歩き
前面へ両腕を伸ばしながら歩くとバランスがとりやすいです。
膝を持ちあげて足を前方へ出したとき、上半身を前方に屈めると自然に背中が丸まり、腰痛予防になります。
2、水中後ろ歩き
背後から水圧がかかることで、腰痛予防効果があるといわれています。
後ろに気を付けながら行ってください。
3、水中横歩き
あまり大股にならないようにし、腰が反らずやや前屈みになるくらいの歩幅で行います。
爪先と膝が同じ方向を向くように注意してください。
『ウォーキング・ジョギング』
ウォーキングは股関節の痛みが緩和され、症状が落ち着いている時に行うようにしてください。
固いアスファルトは衝撃が負担になってしまうことがあるため、芝生や土の上など柔らかめの場所を歩くようにしましょう。
目安は30分~1時間ほどで、歩行後に心地よい疲労を感じるくらいにしましょう。
ただし、股関節の状態、筋力や体力、他の病気の状態などによって異なるため、注意が必要です。
途中で、痛みや違和感を覚えたときは歩くのをやめて、いったん休むようにしましょう。
長時間や長距離歩くときには杖を使うと負担が軽くなります。
ウォーキングと同じく、ジョギングも股関節をほぐし、全身運動によって血行や新陳代謝を改善する効果があります。
といっても、歩くスピードくらいでゆっくり走るスロージョギングが良いです。
無理をしたり急に走ってしまうと、ジョギングによって股関節の状態が悪化してしまうこともあるので、無理はしないようにすすめましょう。
このような、セルフケアを指導すれば、回復は早くなります
痛みが軽くなってくれば、どんどんセルフケアをおこなう方が回復のためになります。
整体師は施術技術も大事ですが、このようなセルフケアを指導して、お客様に『治す』と思っていただくのも大事になってきます。
参考にしてください。